翻訳テクニック集 目次

containは「含む」?

calendar dayの項で、calendar dayという表現をどのように日本語に翻訳したらよいか検討し、以下の訳文を得ました。

$AccCnt contains the number of accesses in one calendar day.

$AccCntは、深夜0時からの24時間におけるアクセス数を含みます。

果たして、日本語ではデータを入れる (入れておく) という意味で「含む」と言うでしょうか。

言いませんね。

単価の低い翻訳では「含む」という訳を多く見かけます。予算の制約がある中で、大量のマニュアルを少しでも安く翻訳しなければならない場合は「含む」にも目をつむることになるでしょう。

しかし、カタログやプロモーションWebサイトが安っぽい仕上がりになっていたら、見た人はどう感じるでしょうか。

ライバル製品を圧倒して潜在顧客に「刺さる」アプローチを仕掛けるには、あまり訳文が安っぽくても困ります。

自然な日本語を求めるなら「含む」は採用できません。

$AccCntは、深夜0時からの24時間におけるアクセス数を保持します。

$AccCntには、深夜0時からの24時間におけるアクセス数が格納されます。

$AccCntには、深夜0時からの24時間におけるアクセス数が入ります。

このあたりが妥当なラインです。「入る」はやや口語的な印象があります。私は通常「格納」を使います。

文脈によっては、そういう状態になっているというニュアンスを出す必要もあるでしょう。

$AccCntは、深夜0時からの24時間におけるアクセス数を保持しています。

$AccCntには、深夜0時からの24時間におけるアクセス数が格納されています。

$AccCntには、深夜0時からの24時間におけるアクセス数が入っています。

引っかかりがなくなり、つるんと喉ごしよく読める訳文になりました。

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