available (1)

28 5月

技術文書では、一定の明確な意味を持つ用語が多数使われます。そのため、技術文書に出てくる用語は、多くの場合、一律に翻訳できます。

しかし、一律に翻訳できない単語も少なくありません。availableもその1つであり、英語から日本語に翻訳するときには意味を考えて訳語を工夫する必要があります。

手元にあるMerriam-Webster’s Collegiate Dictionaryでavailableを引くと「present or ready for immediate use」と定義されています。手元にあるか準備ができていてすぐに使える、という意味です。意味自体は分かりやすいのですが、日本語の「使う」や「使用する」という単語の使用範囲とavailableの文脈が重ならない場合も多く、ぴったりの日本語訳が見つけにくいことがあります。

This field shows the size of the file, if available.
このフィールドにはファイルのサイズ (使用可能な場合) が表示されます。

この文は、画面上のフィールドに表示される情報の説明です。availableを「使用可能」と翻訳していますが、この訳語は変です。誰かがファイルのサイズを「使用する」わけではないからです。

この文脈では、システムやソフトウェア製品など、読者から見えない裏側でファイル サイズの情報が取り込まれます。使用可能というよりは、取り込める、つまり取得可能という意味です。

このフィールドにはファイルのサイズ (取得可能な場合) が表示されます。

これで正しい意味が反映されました。ただし、括弧書きが文の中に割り込んでいて、読んでいる途中で思考が中断されてしまいます。次回はこの点を改善しましょう。

(次回に続く)


有限会社トランスフロンティア
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