different (1)

6 4月

differentもIT系の技術文書でよく使われる単語です。differentに何か特別な意味があるわけではなく、違うことを表します。

To install the product on a server different from the hub server, …

eachと組み合わせて使われることも多いです。

Each notification can be handled with a different message code.
異なるメッセージ コードを使用してそれぞれの通知を処理することができます。

differentの意味そのものは難しくないのですが、日本語に翻訳するときには注意が必要です。

いきなり「異なるメッセージ コード」と言われても、何と異なるのか分かりません。元の英文ではeach notification … a different message codeという語順になっていて、何と何についてdifferentと述べているかが明確ですが、上記の訳文では「それぞれの通知」を後に置いたために、何と何が異なるかが不明確になっています。

日本語では長い語句を前に置くほうが意味を理解しやすくなりますが、原文と異なる語順で訳出する場合は、説明の順序が前後しないように十分な注意が必要です。原文の語順に合わせて翻訳すると、以下のようになります。

それぞれの通知を、異なるメッセージ コードを使用して処理することができます。

言いたいことは分かりますし、当初よりも改善されましたが、まだピンときません。

上記の英文を翻訳するときに忘れてならないことは、原文で複数のnotificationを想定していることです。読者は、Each notificationまで読んだところで複数のnotificationを思い浮かべ、そのそれぞれについてdifferentという説明を読むわけです。この

  1. 複数のものを想定し
  2. そのそれぞれについて比較する

という流れを日本語訳にも反映させる必要があります。

日本語で複数のものを想定してそのそれぞれについて述べるなら「……ごとに」がぴったりです。

通知ごとに異なるメッセージ コードを使用して処理することができます。

これならすんなりと理解できます。

これで翻訳が決着しました。

ただし、もっとこなれた日本語訳に落とし込むこともできます。

(次回に続く)


有限会社トランスフロンティア
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