翻訳サンプル: Power to Gas (1)

12 3月

電力の関連分野として資源 (新エネルギー) 分野の翻訳サンプルをお届けしています。引き続き水素によるエネルギー貯蔵の項目を取り上げます。

原文はWikipediaからの引用ですが、百科事典の項目としてではなく、エネルギー技術の入門書に記載されている場合を想定して翻訳しています。想定した読者は、エネルギー関連の技術について少し詳しく知りたいと考える人。Hydrogenの初回に柔らかめの文体を採用したので、今回もその文体を引き継ぎます。

今回取り上げるのは、前回に続く小項目「Power to Gas」です。

(訳文)
電力網でのエネルギー貯蔵
Power to Gas

Power to Gas (電力のガス化) は、電力をガス燃料に変換する技術です。2とおりの方式があり、1つは、電力を使用して水分解し、生成された水素を天然ガス網に送出する方式です。もう一方は効率が劣り、電気分解とサバティエ反応を利用して二酸化炭素と水をメタンに変換する方式です (「天然ガス」を参照)。その上で、風力発電機や太陽電池によって発電された余剰電力やオフピーク電力を、送電網の負荷を平準化するために利用します。カナダでは、燃料電池メーカーHydrogenicsと天然ガス供給会社Enbridgeが共同し、既存の天然ガス設備を水素の貯蔵に利用してこのPower to Gasシステムを開発しました。

(原文)
Grid energy storage
Power to gas

Power to gas is a technology which converts electrical power to a gas fuel. There are 2 methods, the first is to use the electricity for water splitting and inject the resulting hydrogen into the natural gas grid. The second less efficient method is used to convert carbon dioxide and water to methane, (see natural gas) using electrolysis and the Sabatier reaction. The excess power or off peak power generated by wind generators or solar arrays is then used for load balancing in the energy grid. Using the existing natural gas system for hydrogen Fuel cell maker Hydrogenics and natural gas distributor Enbridge have teamed up to develop such a power to gas system in Canada.

コメント:

  1. Power to Gasにはまだ日本語の定訳がありません。日本語の文章でも英語のままPower to Gasと表記されている例が多いです。そのままでは意味を把握しにくいので、本文中の初出箇所に簡単な日本語を併記しました。
  2. 3文目の括弧内で相互参照しています。翻訳サンプルでは、参照先の項目「natural gas」が日本語版で「天然ガス」と翻訳されていると想定して翻訳しています。実際の翻訳業務では、実際の参照先の訳をはめ込む箇所です。
  3. 社名HydrogenicsとEnbridgeは訳文でも英字のまま記載しました。今回想定した読者は、エネルギー関連の技術について少し詳しく知りたいと考える人です。社名を英字のまま残すことで、読者が掘り下げて調べるときの手がかりになるようにしています。気軽な読み物として翻訳する場合はカタカナ表記にする箇所です。

注:
1. 原文は英語版Wikipediaから転載しました。
2. 上記の翻訳サンプルは、クリエイティブ・コモンズ・表示・継承ライセンス3.0のもとで公表されたウィキペディアの項目「Grid energy storage」を素材として二次利用しています。


有限会社トランスフロンティア
名古屋で通学制の翻訳講座を開いています。詳しくはスクール案内へ。
理工系専門書、IT・電気工学・その他分野の英→日翻訳を承っております。2001年創業以来1000件以上の翻訳実績。お見積もり・お問い合わせはこちらからどうぞ。