MEMS the word

17 2月

本の中にこんなフレーズが出てきました。

MEMS the word

MEMSはMicro Electro Mechanical Systemsの略で、メムスと読みます。一言でいえば極小の機械のことです。その本では、微小なセンサーに通信機能を持たせて人体に植え込み、そのセンサーからの情報を体外の機械が受信して血糖値のコントロールなどに活用する、という話を紹介していました。その話のタイトルに出てきたのが、冒頭のフレーズです。

英語ではこの「MEMS the word」というフレーズが気に入られているようで、検索するとあちこちのWebサイトで使われています。中にはMEMS The Wordという名称のニュースレターまであります。(私が読んだのは、そのニュースレターとはまったく別の本です。)

このフレーズ、このままではまったく理解できません。MEMSとword (単語) に直接の接点がありませんし、文法を手がかりに解釈するにも無理があります。

このフレーズは「Mum’s the word」にかけたシャレです。手元のリーダーズ英和辞典を引くと、以下のように説明されています。

Mum’s the word. = The word is mum. 黙ってて, 秘密だよ.

冒頭のフレーズを思いついた人のしたり顔が目に浮かびます。

気が利いたフレーズですが、このフレーズを日本語に翻訳するとしたら、どう翻訳しましょうか。

シャレというのは大変に翻訳しにくいものです。翻訳では意味を伝えることが最優先です (意味が伝わらなければ翻訳の目的を果たしません)。その上で無理にシャレにしようとすると、こじつけのダジャレになってしまって、かえって興ざめします。シャレを翻訳しようとすると、どうしてもシャレの要素をあきらめざるを得ないことが多いです。

だからといってシャレの要素を切り捨てるのはもったいない。私はこんなふうに翻訳します。

MEMS the word
MEMSのナイショ話

MEMSという最新技術について、つい人に話したくなるような知識を紹介していることと、ベースになったフレーズ (Mum’s the word) の「秘密だよ」「内緒だよ」という意味を重ね合わせました。ちょうどMEMSに通信機能を組み込むという文脈でもあり、小さな機械が人知れずひそひそと話をするイメージも重ねてあります。

表記については、絶対に「ナイショ話」とカタカナで書きたいところです。

MEMSの内緒話

MEMSのないしょ話

では雰囲気が出ません。カタカナが一番です。

MEMSのナイショ話

有限会社トランスフロンティア
名古屋で通学制の翻訳講座を開いています。詳しくはスクール案内へ。
理工系専門書、IT・電気工学・その他分野の英→日翻訳を承っております。2001年創業以来1000件以上の翻訳実績。お見積もり・お問い合わせはこちらからどうぞ。