完全な複製

10 2月

外国のテレビ番組を日本語に翻訳したものを見ていると、言葉が耳に引っかかることがあります。先日はこんな表現に引っかかりました。

完全な複製

日本語ではこのような言い方をしませんね。

perfectやcompleteが「完全な」と翻訳されている例をよく見かけます。確かに英和辞典を引くと「完全な」という訳が載っていますが、日本語で「完全」という言葉を使う文脈は限られています。訳語を工夫しなければなりません。

複製であれば

忠実な複製
正確な複製

としたいところです。

製品の日本語版マニュアルで、complete descriptionを「完全な説明」、complete listを「完全なリスト」と翻訳している例もよく見られます。安く大量に翻訳するとなると、このような訳になってしまうのでしょう。マニュアルならともかく、プロモーション用のWebサイトに妙な訳が並んでいると悲惨です。せっかくアクセスしてくれた潜在顧客も、サイトの説明を読んでいるうちに、うんざりして離脱してしまうかもしれません。

通常、製品のカタログを制作するときには上質な用紙を使うことでしょう。上質な用紙を使うことで、写真が美しく印刷されます。用紙の手ざわりから受ける印象も信頼に大きく影響します。製品に添付する取扱説明書と同じ用紙でカタログを作る企業は見かけません。

翻訳も同じことです。企業の印象を左右するメディアに相応の翻訳投資をすることで、メディアの力を最大限に引き出すことができます。見過ごしがちですが、大事なポイントです。


有限会社トランスフロンティア
名古屋で通学制の翻訳講座を開いています。詳しくはスクール案内へ。
理工系専門書、IT・電気工学・その他分野の英→日翻訳を承っております。2001年創業以来1000件以上の翻訳実績。お見積もり・お問い合わせはこちらからどうぞ。