see (1)

15 2月

seeは中学生でも知っている単語ですが、こんな使い方もあります。

Asia and Latin America have seen a similar decline in fertility: from 5.9 children per woman in 1950 to 2.5 at the start of the 21st century.

出典: U.S. National Institutes of Health Webサイト (https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3987379/)

Merriam-Webster Online辞書でseeを引くと、以下のように説明されています。

1
a: to perceive by the eye
b: to perceive or detect as if by sight
2
a: to have experience of : undergo・see army service
b: to come to know : discover
c: to be the setting or time of・the last fifty years have seen a sweeping revolution in science ― Barry Commoner
(語義3以降は省略)

Merriam-Websterでは語義を古い順に記載しています。語義1は最も古く、基本的な意味です。冒頭の例文では語義2の意味でseeを使っています。おそらく、目の当たりにするところからseeを使うようになったのでしょう。主語が人であれば、この意味でseeが使われることも理解しやすいと思います。冒頭の例文では主語に地域の名称が来ていますが、国や地域は擬人化しやすいので、意味の広がりとして自然です。

さらに、その語義2aから発展して、語義2cでは時期を表す言葉が主語になっています。そのほか、seeの主語にapproach、plan、schemeなどが来る場合もあります。

冒頭の例文はどのように翻訳したらよいでしょうか。まずは、簡単にするためにコロンの前までで考えましょう。

Asia and Latin America have seen a similar decline in fertility.
(訳1) アジアとラテンアメリカも同様の出生率の低下を見た。
(訳2) アジアとラテンアメリカでも同様の出生率の低下が見られた。

seeの訳語としてよく使われる「見る」をそのまま使えます。ただし、他動詞として「低下を見た」と翻訳するといかめしい印象になりますし、日本語で無生物を主語にすると違和感が強くなります。受け身にして「低下が見られた」と翻訳すると、その違和感を解消できます。

なお、similarと書かれていることから、この文より前でも出生率の低下に触れていることが分かります。そのため、助詞「も」を補って主語を「……でも」と訳出しています。

seeの解釈はこれでOKです。しかし、この訳2で完成としてよいでしょうか。

(次回に続く)


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