名詞句を読みほどく

25 5月

以前翻訳サンプルを紹介したときに、英語は名詞 (名詞句・名詞節) を中心にして文を展開すると説明しました。このときは前置詞forの後に続く名詞句を取り上げましたが、英文ではさまざまな場面で名詞主導の表現が顔を出します。

Modify the input to use an alternate set of driver name and port number.

この英文の構造をそのまま日本語に置き換えると、日本語としておかしな文になってしまいます。

ドライバ名とポート番号の代替のセットを使用するように入力を修正してください。
→ ドライバ名とポート番号の代替の組を使用するように入力内容を修正してください。

inputは入力したものを指すので、明確に「入力内容」と書きました。また、setはdriver nameとport numberの組み合わせのことを指しています。「セット」と言われても意味が分からないので「組」に変更しました。

問題は「代替のセット (組) を使用する」という表現です。言いたいことは分かりますが、日本語でこのような表現はしません (低料金の翻訳の場合は、このような翻訳が大量に出てきます)。「組み合わせ」という訳に置き換えても日本語として不自然なことに変わりはありません。

ドライバ名とポート番号の代替の組み合わせを使用するように入力内容を修正してください。

英文を日本語に翻訳するときは、英語の名詞句や名詞節を文に読みほどくと、自然な訳文が得られます。

入力を修正してドライバ名とポート番号の組を変更してください。
→ 入力を修正してドライバ名とポート番号の対応関係を変更してください。

過度なコスト競争の結果でしょうか、ちまたには日本語化 (ローカライズ) が怪しい製品やサービスがあふれており、そのような日本語訳にうんざりしているユーザがたくさんいます。カタログやプロモーションWebサイトに妙な日本語訳が並んでいると、ユーザに製品やサービスが使いにくいだろうと想像させてしまうことになります。

せっかくアクセスしてくれた潜在顧客が離脱しないように、少なくとも顧客獲得の入り口は丁寧に作りたいものです。


有限会社トランスフロンティア
名古屋で通学制の翻訳講座を開いています。詳しくはスクール案内へ。
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