at least one report

24 5月

前回は以下の英文を翻訳し、wantの訳を修正しました。

Select at least one report that you want to delete.
削除したい1つ以上のレポートを選択します。
→ 削除する1つ以上のレポートを選択します。

ただし、この訳文ではまだ日本語に落とし込めていない感があります。

英語では、話題として取り上げる対象物が単数か複数かを常に意識します。そのために、上記の英文でもいちいちat least one reportと書いています。上記の訳文が日本語としてこなれていないと感じるのは、このat least one reportをそのまま日本語に置き換えているためです。

日本語では、数量を副詞として表現するほうが一般的です。つまり、

2個のおにぎりを食べる

よりも

おにぎりを2個食べる

のほうが自然です。

冒頭の訳文も同様に修正すると日本語らしさが出てきます。

削除するレポートを1つ以上選択します。
削除するレポートを少なくとも1つ選択します。

それでもまだ違和感があります。

問題は「1つ以上」や「少なくとも1つ」という数の表現にあります。通常はレポートを選択するときにいちいち数を数えませんが、上記の表現ではその数を意識した書き方になっています。

そもそもat least oneを「1つ以上」や「少なくとも1つ」と翻訳したのはなぜでしょうか。訳文の中に「1つ以上」や「少なくとも1つ」が出てくる理由は、元の英文で単数と複数を厳密に区別していたためでした。それはあくまで英語での物事の捉え方によるものです。決してレポートの数を数えることが目的なのではありません。

数量表現を訳文から外しましょう。

削除するレポート (複数可) を選択します。

技術系の文章であれば「複数可」と書き添えるだけで十分です。

初心者向けの説明であれば、丁寧に訳出する方法もあります。

削除するレポートを選択します。一度に複数選択することもできます。

丁寧ですが、かなり訳文が長くなります。通常は簡単に「複数可」と書き添えるだけでよいでしょう。


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