ウエービング

27 3月

「ふーん。ウエービングっていうんだ」

Yoshimiです。シオマネキの生態についての本を読んでいます。知ってのとおり、シオマネキはカニの一種で、雄のハサミが片方だけ巨大化するのが特徴です。

その本の中で、シオマネキがその巨大なハサミを大きく振る行為がウエービングとして紹介されていました。英語ではwaving。動詞waveは人が手を振って挨拶や合図をすることを指しますが、シオマネキの場合も同様にwavingというようです。英語では人が手を振ってもシオマネキがハサミを振ってもwavingですが、日本語ではシオマネキがハサミを振ることを「ウエービング」と呼んで人間の行為と区別しています。

せっかくなので、単語帳に書いておきましょう。

waving ウエービング (シオマネキが巨大なハサミを大きく振る行為。雄が求愛の目的で行う)

括弧の中に定義を併記し、どの文脈で使う用語かを明確にしました。

この定義をどのように書こうか、あれこれ考えました。

定義を以下のように書くのはアウトです。

雄のシオマネキが求愛のために巨大なハサミを大きく振る行為

雄のシオマネキがウエービングする目的として現在明らかになっているのは求愛ですが、今後絶対に他の目的のウエービングが発見されないという保証はありません。

ハサミを大きく振る行為は実際に観察されている行為であり、誰がどう見ても揺るがない客観的な事実です。しかし、求愛のためかどうかは人間が観察して判断したことであり、絶対的な客観性・普遍性がありません。客観的な事実と判断は分けて書かなければ定義として失格です。

自分用のメモでもこんなことを考えながら書いているのでした。

【書誌情報】
書名: シオマネキ ― 求愛とファイティング
著者: 村井 実
出版元: 海游舎


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