Hydrogen (Grid energy storage) 翻訳サンプル補足 (1)

30 1月

資源 (新エネルギー) 分野の翻訳サンプルとして、水素資源をテーマに取り上げました。読みやすく分かりやすい訳文を作成するにあたって考慮した事項について引き続き触れていきます。

前回の続きとして2文目を見ていきます。原文では

Hydrogen is produced, then compressed or liquefied, stored, and then converted back to electrical energy or heat.

と受動態になっていますが、掲載した翻訳サンプルでは受動態ではなく能動態として訳出しています。

水素は、製造後に圧縮または液化して貯蔵しておき、後で電気エネルギーまたは熱に変換します。

以下のように受動態として訳出すると、

水素は、製造後に圧縮または液化されて貯蔵され、後で電気エネルギーまたは熱に変換されます。

どこかの誰かが勝手に水素を貯蔵しているような、無責任な印象を与えてしまいます。水素の貯蔵は人間が主体的・積極的に行っていることですから、能動態で訳出して、無責任な印象を読者に与えないようにします。

orには並列の意味 (「または」) と言い換えの意味があります。どちらの意味か迷うことも多いのですが、水素は、圧縮して気体の状態で貯蔵する場合もあれば、液化して貯蔵する場合もあります。ここのorは明らかに並列の意味であり、言い換えではありません。

次回は3文目を見ていきます。

注:
1. 原文は英語版Wikipediaから転載しました。
2. 上記の翻訳サンプルは、クリエイティブ・コモンズ・表示・継承ライセンス3.0のもとで公表されたウィキペディアの項目「Grid energy storage」を素材として二次利用しています。


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